以前も家づくりをする人の事を「施主」と呼ぶという事をお伝えしました。
e-Do建築不動産オフィスブログ「施主はお客様ではない」
http://ameblo.jp/yoshiya-yamazaki/entry-11539382069.html
施主が「家を建てる」のでは無く、お客様が「家を買う」という言葉の響きに
違和感を感じなくなった今日、家づくりの環境は異常であると言わざるを得ません。
そして、是非とも家を造っている職人からの立場も考えて頂きたいのです。
現代で普通の木造2階建ての住宅を建てようとすると
大体、業者さんが20~25業種必要となります。
一言で大工さんと言えど、建て方大工・内装大工・建具大工・・・等々
内装もフローリング・クロス貼り・タイル・塗装・・・等々
そして、それを取りまとめるのがハウスメーカー等の大手建築会社の
下請けの工務店の現場監督です。
通常最も多いハウスメーカーで家を買うお客様は、
ハウスメーカー等の大手建築会社の営業マンと打ち合わせをし
下請けの工務店が工事を下請けし
実際に工事をするのは孫請けの各専門業者の職人さんという事になります。
そんな、分業化が進み、「家を買う」時代になった今、
職人さんは異常な環境で家づくりをせざるを得ません。
何が異常かと言うと、
職人さんは「誰の家を造っているのか解らない」で家づくりをしているのです。
そして、お客様は「誰が造ったか解らない家を買う」訳です。
私はこれは異常だと思います。
職人さんも人間です。
誰の家を建てているも解らずして、良い仕事をしろと言う方が無理な話です。
施主と職人がお互いに顔の見える関係の中で、
施主は施工する主人として、顔を見せて職人に期待をかけ、
職人は施主の期待を胸に、精一杯自らの腕を奮う。
これが、本来の家づくりの在り方だと私は思うのです。
そこから生まれる家はまるで子供のような存在になると思っています。
そして、子育ての様に、家を大事に扱って頂ける事でしょう。
新築で家を建てる時でも、中古マンションや中古戸建てをリノベーションする時でも
施主と職人との関係を最も重要視するように心がけています。
良い家をつくる為には、良い材料や良い設備品にお金をかける事ではありません。
欠陥住宅にならない様に、執拗に目配りする事でもありません。
施主の純真なる期待に良い職人が応えた時、初めて良い家が出来ると確信しています。
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