「願はくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ。」 遠野物語remix(柳田×京極)
何と情熱的で挑戦的なメッセージだこと。
本当は原文読むのが良いんだろうけど、今までどうも敷居が高いと思わせる作品についてはこう言う本は有難いです。
まだ読み途中ですが、これはかなり衝撃的に面白く興味深いです。
ところで、僕の好きな映画監督に河瀬直美という人がいます。
ちょっと前に「殯(もがり)の森」という映画でカンヌグランプリを取ったので知っている方も多いかと思います。
ちなみに僕は「沙羅双樹」という映画が一番好きです。
今回、遠野物語を読んでいてふと、感じた事があります。
柳田國男と河瀬直美は同じだ、と。
河瀬直美の作品には必ずと言っていい程、人智を超えた「深い森」が登場します。
極めて普通の人の日常を映し出していますが、この人が本当に表現したいのはどの作品でも人の日常との対比によって際立つ「深い森」そのものなのだろうと感じていました。
柳田國男の遠野物語も同じ事を感じました。
民俗学だの歴史学だの難しい事は知りませんが、遠野に住む人々のただの日常であり、人智を超えた「人でないモノ」との遭遇の物語です。
そして、やはり、描くものは人でないモノを生む「遠野の森」そのものであると感じます。
そして、やはり共通する、美しくもどこかおぞましく、恐れでは無く、「畏れ」という感覚。
この.何ともじっとりと染み渡るような感覚がたまらなく、刷り込まれてきたDNAを感じさせます。
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