不動産やマンションをご縁や勢いで購入してはいけない
「不動産はご縁ものですから。」
「今の相場はいくらですから妥当です。」
営業トークでこんな言葉を耳にします。
購入したいと思った時に市場に出回っている物件は
確かにご縁ものとも言えるかも知れませんが、
もし、良く調べもしないでご縁やその場の勢いだけで購入しよう
としているのであれば、とんでも無い話です。
住宅は高額な割に、非常にいい加減な売値設定をされている場合があります。
そして、相場も所詮はいい加減な価格で売買された平均値となる為、
決して論理的な価格では無いのです。
どうしてこのような事になるかと言うと、
売主の希望価格が反映されるからです。
売主が購入した時と売り出した時点では価値が少なからず変動している為、
当然高く買った売主は高く売りたいですし、
安く買えた売主は安くても良いわけです。
不動産の適正な価格は、最近の売買履歴から比較したり、
現在の周辺の売値を単純に比較したり、だけでは全く解らないのです。
しかも、多くの人は専有面積の㎡単価や坪単価で比較をします。
これもいい加減な比較としか言い様がありません。
忘れ去られている中古マンションの土地の値段
中古マンションであれ、必ず「土地」が含まれていますが、
営業的に出てくる情報は㎡単価や坪単価等、
専有面積があまりにも表に出過ぎています。
同じ専有面積のマンションであっても、
所有する土地の面積はマンションによって全く違って来ます。
にも関わらず、この土地の値段がいくらなのか等は
ほとんど話題に出て来ないのです。
ただ「住む」という観点からは専有面積だけで良いのですが、
これからの住宅選びはこれでは片手落ちです。
特に築年数が経っている中古マンションを購入する場合、
将来の建替えや売却を見据えると、土地としていくらの価値があるのか、
建物としていくらの価値があるのかを把握しておく事は必須です。
建物は月日が経てばいつか必ず無価値となります。しかし、土地は無価値にはなりません。
土地の価格変動は当然ありますが、その物件の絶対に無くならない最低限の資産価値を把握しておく事が大切です。
比較すべき自宅の収益価格と販売価格
前述のように、販売価格とは売主の希望小売価格でありいい加減なものです。
相場とはそのいい加減な価格の平均値と言えますので、
これまた信頼の出来る価格ではありません。
そこで、唯一不動産の価格を論理的に決められるのが、収益価格です。
簡単に言いますと、
これから購入しようとしている家は貸したらいくらと言う事です。
この収益価格を導き出す計算方法を「収益還元法」と言います。
ご縁や勢いで購入を決定するのはもっての他、単純に専有面積の㎡単価や坪単価、
相場と言う言葉にも惑わされてはいけないのです。
無くならない土地の価格、残存する年数からの建物の価格、
そして収益を生み出す価格と売買価格を比較検討する事が本当の家探しです。